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SEKISHIN STORY 01 「天然芝生長促進用LED」

雨にも負けず、曇りにも負けず、
スタジアムスポーツの未来を照らせ。

日照不足が影を落とすスタジアム

日照不足が
影を落とすスタジアム

「ボールは汗をかかない」というサッカーの格言をご存じでしょうか。パスを小刻みに回して相手を走らせて消耗させ、ゲームを支配せよ。そんな戦術を説いた言葉ですが、まさしくこの教え通りにサッカーは球技の中でも屈指の「走るスポーツ」として知られます。
イタリアのセリエAによると「2021-22シーズンで最も走った男」はノルウェー代表MFのモアテン・トルスビーで、1試合の平均走行距離は11.665kmにも上るのだとか。ピッチを無尽蔵に駆け回る選手を文字通り下支えするもの、それがスポーツターフです。スパイクの踏圧に負けない耐久性、怪我から足を守る優れたクッション性。激しい競技に必要な機能を備えたこの芝生ですが、しかし同時に、日照条件によって発芽や育成時期が限られるという難点もありました。スタジアム運営者からすると、試合以外の日もイベントを開催して稼働率を高めたい。片や芝生の管理者からすると、十分な養生期間を取って次の試合に備えたい…。
そんな、関係者たちを悩ませる問題を解決するために発足したのが、ソニービジネスソリューション、鹿島アントラーズ、信州大学、セキシンによる産学連携「ターフ・ファクトリー・プロジェクト」です。

自然相手の製品開発に近道はない

自然相手の製品開発に
近道はない

プロジェクトの鍵となったのは、屋内で太陽光の代わりにLEDを使って植物を育てる「植物工場」のアイデア。
「植物工場のように、芝生の生長に必要な光を人為的に照射できれば、年間を通じた育成が可能になるのでは?」その仮説を明らかにするべく、さっそく最適な光の波長や光量の比率などを求める試験が始まりました。しかし自然が相手の製品開発は、特定の条件下で性能を計測する加速試験ができません。芝生の生育は、日照時間だけでなくピッチのコンディションなど様々な条件が複雑に関係するため、1つの仮説を検証するにはおよそ2週間もの期間を要します。デモ機を試作し、スタジアムに持ち込んで運用面を含めた評価を行い、改善点を持ち帰ってはまた試作。
それを繰り返すこと5年、ようやく天然芝生長促進用LED「BRIGHTURF」(現:クロロライト)が完成したのです。

運営者、管理者、競技者の「三方よし」

運営者、管理者、競技者の
「三方よし」

晴れを祈るのではなく、悪天候でも芝生が育つ仕組みをつくる。そんな新発想の本製品は、自然光の4倍以上の速さで芝生の育成を可能にし、「スタジアムの稼働率を高めながら芝生の養生期間を確保する」という、運営者と管理者の積年の願いを実現しました。現在はカシマサッカースタジアムへの導入に続き、豊田スタジアムでも採用され、選手たちのパフォーマンスと安全を支えています。セキシンは今、この技術を活かした新しい取り組みを模索中。まだ詳細はお伝えできませんが、私たちは未来を照らすこのLEDシステムの可能性にワクワクと胸を躍らせています。